
フィリピン人技能実習生は、まじめで明るく、日本の職場にもなじみやすい人材です。
一方で、日本での生活や仕事において、多くの実習生が共通してつまずきやすいポイントがあるのも事実です。
これらは能力や意欲の問題ではなく、文化・言語・環境の違いによって起こるものがほとんどです。
本記事では、フィリピン人技能実習生が日本で直面しやすい課題と、受け入れ企業が意識しておきたい対応のポイントを、現場目線で解説します。
日本語の「聞き取り」と「応用」
わかったふりをしてしまう
フィリピン人技能実習生は、相手に気を使い「Yes」と答える文化があります。
そのため、
・指示を完全に理解していなくても「わかりました」と言ってしまう
・実際には意味を取り違えて作業をしてしまう
といったケースが起こりがちです。
これは不真面目なのではなく、「何度も聞くのは失礼」と感じてしまう文化によるものです。
対応のポイント
・「わかった?」ではなく「どうやる?」と確認する
・口頭だけでなく実演で見せる
・重要な指示は繰り返し伝える
日本独特の職場コミュニケーション
あいまいな表現が理解しづらい
日本の職場では、
・「ちょっと見ておいて」
・「できたらお願い」
・「考えておいて」
といった、あいまいな表現が多く使われます。
フィリピン人技能実習生にとって、これらは「いつ・何を・どこまで」やればいいのか分かりにくく、戸惑いの原因になります。
対応のポイント
・指示は具体的に
・期限・基準を明確に伝える
・NG例とOK例を示す
ミスを強く叱られることへのストレス
叱責文化への戸惑い
フィリピンでは、人前で強く叱られる文化があまりありません。
そのため、日本での厳しい口調や強い指導に対し、
・萎縮してしまう
・自信をなくす
・相談しづらくなる
といった心理状態に陥ることがあります。
対応のポイント
・頭ごなしに叱らない
・できている点も必ず伝える
・個別に静かに説明する
「褒めて伸ばす」指導が非常に効果的です。
日本の生活ルールへの戸惑い
ゴミ出し・騒音・近所付き合い
日本の生活ルールは、フィリピンと比べて非常に細かく感じられます。
特につまずきやすいのが、
・ゴミの分別・収集日
・夜間の生活音
・近隣住民との距離感
です。
対応のポイント
・来日前・来日後に生活ルールを具体的に説明
・イラストや写真を使って伝える
・困ったときの相談先を明確にする
「報告・連絡・相談(ホウレンソウ)」の難しさ
自分で抱え込んでしまう
フィリピン人技能実習生は、「迷惑をかけたくない」「評価を下げたくない」という思いから、
・ミスを隠す
・体調不良を我慢する
・悩みを相談しない
傾向があります。
対応のポイント
・相談しても怒られない雰囲気づくり
・定期的な声かけ
・「早く言ってくれてありがとう」という姿勢
ホームシック・メンタル面の不安
家族と離れて暮らすストレス
フィリピン人は家族をとても大切にします。
初めて長期間家族と離れて暮らすことで、
・強い寂しさ
・不安
・孤独感
を感じる実習生も少なくありません。
対応のポイント
・定期的な面談
・休日の過ごし方のアドバイス
・同国実習生との交流
当団体の取り組み
当団体では、こうした「つまずき」を最小限にするため、以下の取り組みを行っています。
・当組合直営の日本語学校での来日前教育
・日本の職場文化・生活ルールの事前指導
・来日後の定期面談・企業訪問
・小さな変化を見逃さないフォロー体制
・実習生・企業双方へのサポート
実習生が困る前に支えることが、実習成功と長期定着につながると考えています。
まとめ
フィリピン人技能実習生が日本でつまずきやすいポイントは、
・日本語の聞き取り・応用
・あいまいな指示
・強い叱責文化
・生活ルールの違い
・相談しづらさ
・ホームシック
など、環境と文化の違いによるものがほとんどです。
これらを理解し、少しの配慮を行うことで、実習生は安心して力を発揮できます。
フィリピン人技能実習生の受け入れをご検討中の企業様は、ぜひ当団体までご相談ください。


