
外国人技能実習制度において、「実習生の失踪」は社会的な課題としてしばしば取り上げられます。
しかし、国別に見るとフィリピン人技能実習生の失踪率は非常に低いことが知られています。
なぜフィリピン人実習生はまじめに実習を続け、日本での生活を全うできるのでしょうか?
ここでは、その理由を文化・制度・教育・支援体制の4つの観点からわかりやすく解説します。
技能実習生の失踪問題とは
技能実習制度は、外国人が日本の技術や知識を学び、母国の発展に役立てることを目的としています。
一方で、一部の国や業種では「長時間労働」「賃金トラブル」「人間関係」などを理由に、実習途中で行方が分からなくなるケースもあります。
こうした失踪は、受け入れ企業・監理団体・送り出し機関の信頼を損なう要因となるため、制度全体で防止策が求められています。
フィリピン人技能実習生の失踪率が低い理由
政府による厳格な管理体制
フィリピン政府は「POEA(海外雇用庁)」という専門機関を通じて、海外就労者を一元管理しています。
実習生の送り出しに関しても政府が関与し、登録制・教育義務・帰国報告の徹底を行っています。
このように「国が責任を持って送り出す」仕組みが整っているため、他国と比べて失踪が起こりにくい環境になっています。
フィリピン人の国民性と価値観
フィリピン人は家族を大切にする文化が根付いています。
多くの実習生は、家族の生活を支えるために日本へ来ており、「途中で逃げる=家族に迷惑がかかる」という強い意識を持っています。
また、カトリック信仰の影響もあり、誠実・勤勉・責任感を重んじる人が多いのも特徴です。
集団行動やチームワークを大切にする気質が、日本の職場環境にもよくなじみます。
英語教育の普及と高いコミュニケーション能力
フィリピンは公用語が英語であり、ほとんどの実習生が基礎英語を話せます。
これにより、監理団体や企業との意思疎通がしやすく、誤解やトラブルが起きにくいのです。
日本語学習にも積極的で、実習先でのコミュニケーション能力が高い点も、長期的な定着につながっています。
来日前教育と生活サポートの充実
フィリピンの送り出し機関では、来日前に数ヶ月の日本語・生活マナー・文化教育を徹底的に行います。
この段階で「日本でのルール」や「実習の目的」をしっかり理解した上で渡航するため、心の準備が整っています。
さらに、受け入れ後も監理団体が生活指導や定期面談を行い、不安や孤立を防ぐ仕組みが整っていることも大きな要因です。
当団体での取り組み
当団体では、フィリピン人技能実習生が安心して実習を続けられるよう、次のような支援を行っています
来日前オリエンテーションの実施
渡航前に日本での生活や実習内容を丁寧に説明し、不安を解消します。
当組合直営の日本語学校での事前教育
当団体が運営する日本語学校にて、来日前に日本語と生活マナーを基礎から学びます。
日本語だけでなく、文化理解や礼儀、職場でのコミュニケーションも指導しており、来日後すぐに現場で適応できる力を養います。
日本語学習サポートと文化研修
来日後も学びを継続できるよう、オンライン講座や学習サポートを行っています。
定期的な面談・企業訪問によるフォロー
実習生と受け入れ企業の双方に定期的なヒアリングを行い、問題の早期発見・解決を図ります。
生活トラブル・健康相談の迅速対応
24時間体制での相談窓口を設け、急なトラブルにも対応しています。
実習生同士の交流イベントの開催
実習生同士のネットワークづくりを支援し、孤立を防ぎ、仲間意識を育てます。
このような取り組みにより、実習生が日本での生活を「前向きに」「安心して」続けられる環境を整えています。
なぜフィリピン人技能実習生は失踪率が低いのか?まとめ
フィリピン人技能実習生の失踪率が低い理由は、政府による厳しい管理体制、家族を大切にする文化、英語力とコミュニケーション能力、そして送り出し・監理団体のきめ細やかなサポートがあってこそです。
当団体では、直営の日本語学校での事前教育と、来日後の継続的な生活支援・フォロー体制により、実習生一人ひとりが安心して成長できる環境づくりを行っています。
フィリピン人技能実習生の受け入れをご検討中の企業様は、ぜひお気軽に当組合までご相談ください。


